2010年08月28日

A級な人達



まだまだ若い頃フリーランスの印刷デザイナーとして、印刷物の設計図を作る仕事を生業としてきました。仕事は順調でしたが運転資金(生活費)が無いのです。1つの案件が完了するのに平均3ヶ月その後に請求書を発行するのですが100日手形とか訳の分からん先付け小切手等、現金が入ってくるのが遅すぎるんです。こまったなーといつも思ってました。広告代理店の担当者にいろいろ情報を教えてもらう内にこんなのあるよと紹介してもらったのがスーパーのチラシのレイアウトでした。

D3サイズ(輪転印刷は紙サイズD巻きサイズ)が多いんですけど表面に商品100点裏面に商品150点これを紙に何でもいいんですが配置が分かる様に線や文字を書き込んでいくんです。指定原稿とか割り付けとかいうんですが、少し技術がいるんですが慣れてくると両面1日で仕上げられます、手離れが早いのです。
ギャラが私の場合でD3両面で60,000円でした。どこの印刷屋や広告屋も20〜30万円以下の場合翌月振込でしたので何軒か掛け持ちで月に10〜15本仕上げていました。印刷用語は日本中一緒なのでそれこそ包丁1本さらしに巻いての世界なのです。

ある日安売り紳士服のチラシの仕事をくれている広告屋に打ち合わせをしている時に、何げに机の上にチラシデザインのコピーがおいてありました。人目みてびっくりしました。うまいんです!紳士服のチラシはモデルが着ている服のシルエットをしっかり出して高級なスーツが安いよのイメージをうまく出さないといけないのですが、なかなか絵にならなくて難しいです。担当の人に聞いたところ最近使い出したプロダクションの20代前半の社員だそうです。当時私は30代バリバリの現役です内心これは負けた仕事全部とられるなと思いました。

1年後また仕事でその広告屋からお呼びがありました。何気にあの上手な人はどうしましたと聞いたところ、なんでも東京の有名なデザイン事務所に移ったそうです。他の人ではへた過ぎるのでまた私を使うということです。そこで思いましたA級な人は怖くないすぐいなくなる。

デジタル時代大手スーパーの全店統一チラシのデザインコンペが年に何回かあり、私の居候している印刷会社も参加します。7〜8社程度コンペに参加しているんですが、何年間もいつも採用される名古屋で中堅の印刷屋があります。とにかくデザインが頭1つ抜きん出ています。クライアントの要求を満たしながらも読みやすく毎回いいデザインを提出します。私も一度勝負してみたかったですが当時は家電チラシ専属でしたので私はコンペデザインの制作には参加出来なかったです。いつも勝てない他の印刷屋はその人の前回のデザインの物まねまでするようになりました。うわさでは儲けて自社ビル建てたそうです。

そのA級なデザイナーは女性だそうですが本当に個人の力量で何千万と動く恐ろしい世界なんです。詳しいことは知りませんがそのデザイナーがやめた時怒濤の各社争奪戦が始まりました。でももうチラシの仕事はしないという事みたいで終決したみたいです。やはりA級な人はすぐいなくなる!じき私もやめたんですが誰も争奪戦はしてくれませんでした。はは。
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posted by ぺりすこ at 21:38| Comment(2) | ぺりすこーぷ